こんにちはこんばんは
本日の映画記録は
「十二人の怒れる男」です!
~あらすじ~
ニューヨークの裁判所。18歳のスラムの不良少年が実父殺害の容疑で裁かれようとしていた。
12人の陪審員たちは評決の投票をするが、ただひとり陪審員8番だけが無罪を主張し、改めて審議が行なわれることに。
それでなくても疲れきっていた11人は苛立つが、8番の説得によって次々と無罪に転じていく。はたして審議の行方は?
!!ここからは盛大なネタバレを含みます!!
全体の感想
もっと早く見ればよかったーーーー!!
キャストは12人で、たった一部屋の中で繰り広げられる会話劇なのにしっかりとした見ごたえがあります
議論の中で明らかになった矛盾点を検証する際も、8番の会話を中心にそれぞれの職業、身なり、出身地などがヒントとなっていて、90分があっという間に過ぎました!
最初は少年の有罪を信じて疑わなかった他の陪審員達も、議論を重ねていく中で段々と心変わりしていきます
イチオシ登場人物
・陪審員8番
検察の証拠の不確かさ、弁護人のやる気のなさに疑問も感じ、他の陪審員に話し合いを求める
・陪審員9番
最初の議論の後、最初に無罪へ意見を変えたご老人
老人とは思えない視力の良さと、洞察力で8番の援護射撃をしてくれる
他の陪審員もいい味出してますが特に好きな二人を選びました!
良かった点
正直すべてのシーンがいいんですが、強いて言うならそのテーマ
「偏見と差別」に対しての8番の向き合い方、それぞれの陪審員が抱える偏見と差別についてですね
審議が始まってすぐ、さっさと有罪にして帰りたい11人に8番はこう語ります
「有罪になれば少年は死刑になる、人の命がかかっているのだからもう少し話し合いましょう」、と
8番もはじめから少年の無実を信じていたわけじゃないのです、だが人の命がかかっているならもう少し議論すべきであると
さっさと野球観戦に行きたい人や仕事に戻りたい人、スラム出身だから有罪で当然だと言う人、
そんな陪審員達に8番は周りを巻き込んで少しずつ提出された証拠の不確定さを提示します
2回目の採決、2人目の無罪支持者は9番のおじいちゃんです
ここのセリフが格好いいんです!
「私は、有罪から無罪に投票を変えます。
なぜなら8番は、たった一人で自分の意見を主張しました。それはこの人の “権利” です。
でも、たった一人でそれを主張することは、本当に勇気がいるものです。
私は、その勇気に応えたい。だから、投票を変えます。
被告の少年は、きっと有罪なのだとは思いますが。
でも、8番に応えて、議論を続けたいのです。」
おじいちゃん!!(´;ω;`)
もう一つ大好きなシーンがあって
物語終盤、無罪派の人間が過半数を取り始めたころ、断固として有罪の意見を主張する10番、主張はただ一つ
「スラムの人間が信用できるか!」この一点張りです
序盤ではこの発言を皮切りに揉め事が起きたり、場が混沌としたりしたが、今回は違う
一人、二人...
続々と席を立ち、10番と目を合わせることなくただ黙って立っているだけ
ガン無視される10番
しまいには10番も「俺の話を聞いてくれ...」と、毒気を抜かれた様子で椅子にへたりこんでしまいます
そこに8番が近寄ってこう言います
「個人的な偏見を排除するのは難しい。偏見は真実を曇らせる。誰も真実は知らない。」
偏見や思い込みという色眼鏡が取れた無実派の陪審員には、色眼鏡をかけている10番との議論は意味を為さないと思ったのでしょう
その対抗策がただ黙っているだけ、暴力でもなく罵るわけもなく沈黙というこの場面に、一種の感動を覚えました
最後に
もう一度見ても大いに楽しめること確実な作品!
最後のオチもすがすがしく、キャラも一人一人が非常に魅力的ですね
一度見てもらえれば推しが1人はできるでしょう笑
90分という短い時間で良作を摂取したい方にオススメです!
ではでは~