こんにちはこんばんは
かなり久しぶりですが、本日の映画記録は
「返校 言葉が消えた日」です!
~あらすじ~
1962年、蒋介石率いる国民党の独裁政権下の台湾では、市民に相互監視と密告が強制されていた。
翠華高校に通う女子高生のファン・レイシンが放課後の教室で眠りから目を覚ますと、何故か学校には誰もいなくなっていた。
校内を一人さ迷うファンは、政府から禁じられた本を読む読書会メンバーで
秘かに彼女を慕う男子学生のウェイ・ジョンティンと出会い
協力して学校からの脱出を試みるが、どうしても外に出ることができない。
消えた同級生や先生を探す二人は悪夢のような恐怖が迫るなか、
学校で起こった政府による暴力的な迫害事件と、その原因を作った 密告者の哀しい真相に近づいていくー。
!!ここからは盛大なネタバレを含みます!!
全体の感想
戦後の台湾、厳しい情報統制が行われていた時代が舞台です
こちらの映画はインディーズゲームが元ネタとなっており
ゲームのストーリーや雰囲気などを上手く落とし込んでると思いました!
ゲームでは分かりにくかった演出も深堀りがちゃんとされていて、
ゲームをプレイしてから映画を観たり、映画を観てからゲームをプレイしても楽しめそうですね✨
ちなみにゲームはこちら
前半はホラーがメイン、後半は悲恋とちょっとサスペンス風味といった感じで
ガッツリホラーを求めている人には物足りないかも?
イチオシ登場人物
ファン
今作の女主人公、素朴かわいい
家庭環境に問題を抱える模範生
彼女が放課後の教室で目が覚めるところから物語がスタートします
ウェイ
男主人公、ファンに好意がある読書会メンバー
放課後の学校でファンと合流して一緒に探索するが...
チャン先生
ファンが恋する先生であり、読書会の発起人
色々な点において事の発端
プラトニックでも生徒に手を出してはいけない
イン先生
読書会の顧問的立場の先生
ファンとチャン先生の関係に気づいてる
ゲーム版と結末が違っていて、より生徒想いの人物になっている
良かった点
ゲームよりも物語の構成が分かりやすかったですね!
唐突な場面転換やフラッシュバックの演出をゲームの雰囲気壊すことなく表現している点もかなりいい☺️
生徒はみんな同じ服装、髪型で、自由に本を読むことすらかなわない
これはこれで別の意味でホラーです、台湾にもそんな時代があったとは知りませんでした
特に読書会のメンバーが禁書を燃やす際、
「本を読んで何が悪い?」
と訴えるシーンは、思想統制の恐怖や抑圧に苦しむ学生たちの心情を思うと辛い...
イチャイチャする先生と生徒
一番の見どころは、ファンとチャン先生の恋模様と読書会の密告、
そしてファンとウェイの行きつく先!
冒頭のシーン、ウェイは一人反乱分子の疑いで拷問にかけられています
その最中に「いつでも夢の中で翠華高校のことを思い出す...」と言っており、
この段階で高校での出来事が既に過去のものであるという伏線がちゃんと張られているんです!
じゃあ、あらすじにあったファンが放課後の教室で目覚めたというのは過去の話なのかというと、そういう訳ではない
個人的考察ですが、放課後の教室というのは、ファンとウェイの心残りによって生まれた、ウェイの深層心理の空間と思っています
ファンがチャン先生を好きにならなければ
チャン先生がイン先生に釘を刺されなければ
ファンがイン先生に嫉妬しなければ
ウェイがファンに禁書を貸さなければ
ファンが読書会を密告しなければ
読書会のメンバーも先生たちも、自責の念に駆られたファンもまだ生きてたかもしれない
異空間と化した放課後の学校で、ファンとウェイは忘れたかった記憶を思い出します
唯一の生き残りであるウェイはこの出来事を忘れないため
ファンは放課後の世界に残り、自分の行った罪と向き合うため
それぞれがそれぞれの世界へ帰って生き続けます
ウェイはその後数十年投獄されることになりますが、生きてはいます
チャン先生に託された手紙を手に、彼は取り壊し予定の翠華高校へと向かいます
未だ罪と向き合っているファンに会いに行くため
最後に
という感じで、後半は結構感動するストーリーとなっているので
グロホラーを望んでいる人は拍子抜けすること確実!笑
ゲームをプレイしたことある方、台湾の歴史に興味があるかたには満足いただける作品化と思いますので、興味ありましたら是非是非ご視聴ください✨
最後に、チャン先生からファンへの手紙の内容を書いて終わります!
白鹿から水仙へ
今世では縁がなかったが
来世で会おう
自由へ
ではでは~